
お正月に初詣に行くのが毎年の恒例となっている人も多いのではないでしょうか?
私も家族そろってお参りし、新しいお札をいただいて帰ってきます。
では、喪中の時はどうすればいいのでしょうか?
喪中の初詣はダメ?
遺族が喪に服す期間のことを服喪期間と言いますが、まず気に留めておかなければならないことは、「忌中」と「喪中」の違いです。
・仕事などの外出を控え、神事にも関わってはいけないとされている期間
・故人のために祈る期間
神社では「死=穢れ」と考え、穢れている間は鳥居をくぐってはいけないとされています。
寺では成仏してもらうために法要をし、手を合わせます。
神道では没後50日間、仏道では没後49日間が忌中期間とされています。
・故人を偲び、冥福を祈る期間
・悲しみを乗り越え、通常の生活へと戻っていくための期間
心にぽっかり空いた穴を埋める期間とも言われていて、とくに決まった期間はありませんが、一周忌までの期間という場合もあります。
◆忌中の場合
上記を見る限りでは神社にお参りしてはいけないとなりますね。
寺の場合は葬儀や法要をしますから、「死=穢れ」ではないという考えが多いのでお参りは可能ですが、故人に成仏してもらうための法要期間なので、「家内安全」や「商売繁盛」など自分たちのお願いや、新しい年を祝う気持ちで行く初詣は避けるべきでしょう。
◆喪中の場合
喪中は決まった期間があるわけではありません。一周忌までの期間という場合もありますが、本来の喪中の意味が故人を偲び、冥福を祈るというのであれば、一周忌までと決めつけるのはいかがなものかと思われます。
上記をふまえると、忌中期間は初詣は控えるべきですが、喪中期間は(決まった期間がないことから)行ってもいいということになりますね。
喪中の初詣~鳥居をくぐらなければいい?
それでもやっぱり、一周忌までが喪中期間と考えている人も多い中で、その期間中に神社へ初詣に行く場合、鳥居をくぐらなければいいのではないか?と思っている人も多いかと思います。
そういう考えも多く、鳥居をくぐらず脇から入って参拝し、神殿に参拝や柏手をしないで少し離れたところから一礼する、という人もいるそうです。
しかしこれはあまり意味がないようです。
忌中は故人を偲び、祈ることに専念する期間ともされているので、その期間に参拝することは控えるのであって、忌中がすめば普通に神社へ参拝することができます。
また、忌中期間中でも、やむを得ず参拝する必要場ある場合は、あらかじめ神社に相談し、お祓いを受ければ参拝できるとされています。
手水は清め、鈴は鈴祓えといい、お祓いにあたります。
参拝する場合は神社の唯一の出入り口である鳥居から入り、手水で清め、鈴をならしましょう。
喪中期間も穢れであると思う地域や世帯ならば、鳥居をくぐらないのではなく、神社の境界に入らないのがいいと思います。
喪中の初詣~寺ならいい?
お寺の場合は命日から49日を超えていれば、普通にお参りできます。
ですが、まだ悲しみが癒えていないなら行く必要はもちろんありません。
喪は何かを「してはいけない」のではなく「する気になれない」のが正しいのではないかと思います。
喪中の初詣~会社の行事としての初詣には?
会社により、年明けに社員全員で初詣をするというところもあるようです。
その場合に多いのが、○○神社ですね。鈴をならし、参拝や柏手をすると、気が引き締まるからでしょうか。
この場合も、何も問題はありませんので、他の人たちと同じように参拝して下さい。
もし「喪中じゃなかった?」と言われ、明らかに年配の人に嫌がられる場合は、参加しないほうがいいでしょう。
初詣に行く前に、上司に相談されておくべきだと思います。
まとめ
「忌中」と「喪中」の場合を書いてきましたが、もちろんこの意見とは違う宗派や地域風習があるでしょう。
こちらはあくまでの一例ですので、あなたの地域風習に習ってください。
そういう風習とかはないけど、どうなんだろうと迷う場合は、行こうと思っている神社に問い合わせたり、菩提寺に相談したりしてください。
また、夫側の身内がなくなったけど妻は血のつながりがないからと、妻や子供だけ初詣に行くというのは、忌中期間ではなくてもやめたほうがいいと思います。
血のつながりのある人が亡くなって気落ちしている夫の心中を察すれば、祝う気持ちにはなれないと思いますしね。