
お餅つきを機械でしたことはあるけど、臼と杵でついたことなんてないな~という人も多いのではないでしょうか?
ただ最近は、ちょっと人が集まったりするところ(保育園や大きな会社など)では、昔からの臼と杵でつくやり方を復活させているところも多いんですよ。
主人の実家でも5年ほど前から臼と杵でつく餅つきをやっています。
そしてなんと、餅の返し手(合いの手というか杵取りというか)が私。
もちろん、嫁ぐ前に経験なんてありません。それでも義父に言わせると、とても上手なんだとか。
お世辞だと思っていたのですが、そういうわけでもなく、理由もあるのだそう。
確かについたお餅は、モチモチ感とコシがあってとても美味しいです。
臼と杵でつく餅つきに必要な道具や手順、そして、美味しいお餅をつくための手返しの仕方やコツをご紹介しますね。
餅つき~臼と杵でつく方法 必要な道具
臼と杵で餅つきをするときに必要な道具をご紹介します。
①お湯
※釜のお湯が減ってきたときに必要です。
②ひしゃく
※釜のお湯が減ったとき、お湯を追加するのに必要です。
③くど
※移動が可能なかまどのようなものです。餅つき用のカマドとも言われています。
④釜
⑤セイロ
※底に敷く蒸し布も必要です。
⑥臼
※木製のものと石臼があります。
⑦臼台
※臼を乗せる台です。
⑧杵
⑨手水桶
⑩手水桶台
⑪餅取り桶
※つきあがったお餅を、ある程度の大きさにちぎって丸めるまでに使用する桶です。
⑫もろぶた
※丸めたお餅を一時的に置いておく箱です。プラスチック製のものもありますが、木製の方がおすすめです。
※ない場合は、調理用バットでもOKです。
⑬しゃもじ
※蒸したもち米を臼に入れ杵でこねる際、もち米を裏返しにする用にあったほうが便利です。
餅つき~臼と杵でつく方法 具体的な手順
①もち米を洗ってつけておく
餅つきの日の前日や前々日につけておきます。
もち米をつけておく時間は、6~8時間、または12時間と言われていますが、我が家では24時間以上つけています(冬の場合)。
②釜の中の水を温めておく
くどに水の入った釜をセットし、火をつけます。
釜の火は常に強火です。
③もち米を水切りする
もち米をざるにあげます。
④杵の先(餅をつく部分)を水をはったバケツに入れておく
杵の先が欠けて木片が餅つき時に餅の中に入ってしまわないよう、しっかり水分を含ませておきます。
※これでもたまに餅つき時に欠けることがあります。その時は欠けて餅の中に入ってしまった木片を取ってください。
⑤釜にセイロを乗せる
釜の水がお湯になり、常に湯気がたくさん出ている状態になったら、セイロに簾を敷き、蒸し布を敷いてもち米を入れ、蒸し布が大きいので余っている部分を包み込むようにして釜に乗せます。
※我が家では釜の上に四角い蓋板のようなものがあり、真ん中には直径5センチほどの穴が開いています。
※餅をつく人や丸める人が大勢いる場合は、セイロを2、3段重ねておきます。
※我が家は4段重ねです。
⑥臼にお湯を入れ、温めておく
もち米が蒸せるまで、しっかり温めておきます。
⑦蒸せたもち米を臼の中にいれる
もち米が蒸せたら、セイロのまま臼まで持っていき、蒸し布のもち米だけを臼の中に入れます。
臼の外周に沿って杵の柄に体重をかけ、もち米をつぶしていきます。
杵を持った人が、臼の周りをまわりながら押しつぶしていくと、うまくつぶせます。裏側も同様に。
もち米を裏返す時、手でやるとかなり熱いです。この時しゃもじを使い、つぶれた端のもち米を中へ入れるようにしてから全体を裏返すとうまくできます。
※この作業は短時間で済ますようにしてください。もち米が冷めてしまうとうまく餅がつけません。
⑨もち米をつく
もち米がある程度こねられたら、テレビなどで目にする餅つきの要領で杵でついていきます。
※こねが甘い場合は、つくときにもち米が臼から飛び出します。
⑩返し手をする
餅が臼にくっついた場合や、もち米を均一につくために杵取り(返し手)します。
※杵に餅がくっついた場合は、水をはったバケツに先を入れて濡らします。
⑪つきあがった餅を桶に移し、成形する
つき終わった餅は、餅取り粉をまぶした桶の上に置き、ちぎって丸めます(丸餅の場合)。
※丸める人数は多い方がいいでしょう。
⑫成形した餅を並べる
丸めた餅は、餅取り粉をまぶしたもろぶたに並べていきます。
⑬工程③~⑫を繰り返す
餅つきの工程を繰り返し、終わったら、餅取り桶と臼、杵についた餅を落とすため、湯や水にしばらくつけておきます。
⑭使った道具を洗って終了
桶と臼、杵をたわしなどで洗い、セイロや蒸し布についたもち米もきれいに洗い落して終了です。
餅つき~臼と杵でつく方法 手返しの仕方やコツ
餅つきの時の餅の返し手方法…、手返しの仕方やコツをご紹介しますね。
※我が家でやっている方法です。
②餅つきの手順⑧で、杵で押しつぶしたもち米をしゃもじで中央に寄せ、裏返します。
③もち米を均一につくため、餅が臼や杵についたら取るだけに手返しをします。
杵で餅つきを始めると、すぐに手水(濡れた手で餅を叩く)をする人がいますが、あまりよろしくありません。
手水は餅の表面に水分をつけることです。
水分は杵についているものだけで充分です。
そして、臼や杵に餅がくっつかなければ、臼に入れたもち米が均一につけるなら、手返しは必要ありません。
実際にはそれは無理なので、手返しは「もち米を均一につくため」と、「臼や杵に餅がくっつかないようにするため」にしています。
なので、なんどもなんども、もしくは杵が餅を2度ほどついた後すぐに手水する必要も手返しする必要もありません。
※手返しする時に水も入りますから。
我が家の場合は、7~10回ほど杵でついたあと手返しをして、つけていない場所をつきやすい中央に寄せる作業をします。
ひと臼つけるまでに入れる手返しは、合計で7、8回程です。
手返しのコツ
手返しのコツは、何度も手返しをするのではなく、1回の手返しで2、3回餅を寄せたり、裏返したりすることです。
手返しする人はかなり手が熱くなるので、手返しする直前と直後に、手水用桶の中に手を入れて冷やして下さい。
私は餅つきを始めた最初の年と2年目は、指先にやけどをし、水ぶくれが出来ました。
もう今は、そんな失敗はしませんけど。
指先や手のひらについた餅はかなり高温ですので、じっくり冷やし、次の手返しまでにしっかり落としておいてください。そうしなければ次にひっくり返したとき、餅が同じところにつきやすくなります。
また、私の手返しはかなり少ない方だと思いますが、手返しが少ないということは手水が少ないということになります。
手水が少ないと良いのは、以下のような理由があります。
※家で機械でついた餅は、1時間もすれば固くなっていますが、臼と杵でついた手水の少ない餅は、5時間ほどたってもカチカチにはなりません。
●手水の多い餅は、カビがはえやすくなる。
まとめ
お餅つきを臼と杵でするのは、とても楽しいです。
最近では保育園や幼稚園、学校や町内会でこのやり方が復活しているところも多いようです。
臼と杵、その他の必要なものをセットでレンタルできるようになったことも、このやり方が広まっている理由の1つにもなっているようです。
たくさんの人手が必要ですので、近くである際にはぜひ参加してみてくださいね。
ただ、臼と杵でつく方法を、全く初めての人ばかりでするのは、とても難しいです。時間配分や工程に不備が出たりします。
我が家も一番最初にやった時は、慣れた今よりずっと大変でした。
どなたか1人でも、やり方を知っている人にいてもらったほうが安心ですよ。